道具としてのカヤックの、ちょっとマニアックな話。その1

※カヤックに興味のない方は飛ばしてくださいね~^^





昨年、三陸の海で漁師のトシちゃんが

手作りのベニヤ板カヤックに

グリーンランディック(風)なパドルで漕いできたので

「お、いよいよパドルも変えたの~?」って

パドルをみせてもらったときのこと。








でも見た目は一瞬、本物チックだけど、

パドル面がフラットだったので

「ト~シ~ちゃ~ん、ちょっと惜しいね~、

これ、ブレードの面にそれぞれ角度入れないと~」って言うと

実はどうやら、誰かが作ったのを

借りている、ということだった。

思わず、私が15年位前に写真から見よう見真似で作った

木のパドルを思い出してしまった。








カヤックは人の体型やスタイルに合わせて創るのは前提だけど

もともと、

その海の粘度(水温によって違ってくる)や、

氷の有無、漕ぐ場所の地形、風の特徴、目的などを

考慮して形がエリアによって体系づくられてきました。




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パドルも同じです。


でもよく古典的なカヤックが大好きな方から

なんであんなに短いパドルを左右にずらして使うの?

とか、

なんであんなに細いの?

などと聞かれることもしばしば。

ナローパドルをあんまり日本では重宝されていない、

むしろ、FRPとかカーボンのナローを使っていると

スピードも出ないし、ちょっとダサいイメージさえある。






でもグリーンランドに行くと

その理由がすべてが納得するのだ。



まず、狩が目的なので、

狩中は

ゴチャゴチャ狩道具のなかにパドルを

コンパクトにまとめなくちゃいけない。


↓カヤックの上はこんな感じ。狩の道具でいっぱい!

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ナローなら、すっとパドルも刺しやすい!




そして、数10kmの入り江がざらにある

フィヨルド地帯では

小さな曲がり角を越えた途端に

突風があらゆる角度から襲うことがあるので

水面から出ているパドル面をなるべく少なくするために

短くして左右ずらしていることもある。

(グリーンランドを旅していた女性のカヤッカーの友人LONEは

大きいブレードで漕いでいてこの突風にパドルがとれれて亡くなった。

この話はまた別の機会に記事にします)



氷がある海で、長いパドルは邪魔。だとか。



などなど、そのカタチになっているのには

いろんな理由があると思います。



そして、たかがパドルだけど

私が習ったH/C Petersenのパドルでは

フラットに見える部分にもちゃんと

なめらかに角度がつけられていて

水のなかでの推進性やスカーリングのしやすさ、

強度を保つため、などを

計算されて創られていた。




そして、最近はこんなレトロなスタイルも

流行りつつあるけど

日本の海でもこのようなパドルが必要か、となると

カヤックで養殖棚などの漁作業をしているトシちゃんには

十分、必要に思えるけど、

一般にレジャーとしてカヤックに乗る場合は

そんなに必要ないんじゃないか、と思うことも。



でも、今では時々大きいブレードを使う私も

グリーンランドの地形にちょっと似ている三陸を旅していて

ときどき突風が下から吹いてきたりすると

大きいブレードは力の弱い女性には

リスクが大きい、と感じてしまいます。



やっぱりどんな道具でも

見た目とかよりも目的にあわせてセレクトして使うのが

一番なのではないでしょうか。
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